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三峡ダム非常警報・水位急上昇、過去最悪記録

三峡ダム
三峡ダム

三峡ダム

中国四川省など長江上流域の各地で大雨が続き、三峡ダムに流れ込む水量が、過去最大の毎秒7万5千立方メートルに達した。

三峡ダムは、ここ数日でまた水位が急上昇しはじめた。

水位が162mになった。

上流での水の流入が止まらなければ中国当局は再び三峡ダムの放水量を増やさなければならないでしょう。

長らく続く記録的な集中豪雨により決壊が懸念されている世界最大級の水力発電ダム【三峡ダム】。

中国メディアは増水の峠は越したと報じているが、中国では9月にかけて洪水期になるため今後も予断を許さない。

中国当局が今後も放水を行えば下流域の住民や都市に甚大な被害がでる恐れもあります。

江西・安徽省など長江流域を中心に27省・自治区・直轄市で延べ4552万人が被災し、242人が死亡・行方不明となった。
家屋3万5千戸が倒壊し、経済損失額は日本円で約1兆8千億円。

80年ぶりともいわれる大洪水によって、爆弾を抱えているのは、393億立方メートルの貯水量の三峡ダムです。

警戒水位を上回る状況が続いており、下流に位置する湖北省武漢にも影響がでています。

具体的なダム決壊事故

中国・河南省で起きた世界最大のダム決壊事故。

近代からのダム建設はせいぜい100年程度しか歴史がない。

しかもその歴史の中で、すでにたくさんのダム決壊の記録があります。

例をあげますと、アメリカのフランシスダム、ティートンダムなどの決壊、イタリアのバイオントダムの決壊【世界最悪のダム事故】というイタリア映画にもなっています。

数えきれないほど事故はおきています。

現在までの世界最大のダム事故は、1975年8月に中国河南省駐馬店の「板橋ダム」及び「石漫ナダダム」の2大大型ダムと2か所の中型ダムさらに58ケ所の小型ダムが決壊したダム事故でしょう。

1975年8月4日、台風3号が台湾経由で福建省に上陸しました。

普通は大陸に上陸した台風はすぐに勢力が弱くなり、消滅するのですがこの時は、上陸後も速度は落ちましたが、勢力は落ちず、長江に沿って大陸中央を通過しました。

板橋ダムの管理室が水に浸かって電話が使えなくなり、下流への危険信号が送れなくなりました。

周辺の村は全体が60cmほど浸かり、民家の倒壊は始まっていた。

駐馬店地方も洪水となり救援活動が始まった。

ダムはゲートの放水を最大に切り替えたが、ダムの水位は上がる一方だった。

ダム周辺の水没した村の水位はどんどん高くなり、人々は恐怖に包まれた。

その後一瞬雨があがり、人々が「雨が止んだ」と歓喜する声が広がった時、巨大な板橋ダムが決壊。

日本最大の徳山ダム(貯水量6億6千万立方メートル)より大きい8億立方メートルの水が洪水となって周辺と下流域全体を襲った。

詳細は不明ですが、おそらく数万人が死亡し、水没した土地に数百万人がとりのこされた。

そしてその後疫病が猛威を振るい、飢えと疫病で数万人が死亡した。

ウイキペディアでは、直接の水害で2.6万人が死亡し、その後の食糧危機や感染病により数十万人が死亡したとされる。正確な数字は不明です。(中国は隠ぺい主義)

水深の深いダム湖が引き起こす「ダム誘発地震」

ダム誘発地震

イタリアのバイオントダムの事故。

これは切り立った山を利用して建てられ、水位が400mを超すような水深のあるダムです。
ところがダムに水を入れ始めると、地域に群発地震が起き始めました。

そしてさらに水位を上げると、周囲の山が地滑りを起こし、水面に落下した。
落ちた山は山津波を起こし、ダム堤を150mも高く超え麓の村の人口2000人以上とともにすべてを流し去った。

このような地震のことをダム誘発地震と言い国際的に常識になっていますが、しかし日本だけはダム誘発地震を認めていない。

意外なのは、日本で起きた黒部ダムの群発地震がダム誘発地震の可能性が高い。

(2016年8月末から400回を超す群発地震を起こした。)

ダムと地震の関係では、深さが100mを超すダムで水深を上下させたときに起こることが多く、ダム湖底の浅い地層で起こることが多い。

総貯水量より水の気圧に大きく関係するのが水深であり大きなダムより水深の深いダムであることが影響する。

中国で起きた四川大地震もまた紫坪鋪ダムにより誘発されたのではないかと疑われている。位置的に長江に近い。

そして紫坪鋪ダムの堤高は156mで三峡ダムは146mです。

地質も変わりなく、同様のダム誘発地震の可能性がある。

最後に

三峡ダムは、前述したように洪水による決壊及びダム誘発地震の危険性にさらされています。

長江流域は中国の人口の40%をしめ(約6億人)、輸出額のほぼ50%を占め、国民総生産は45%になる。この地域だけで世界で3番目に大きい経済になる。

中国は現在、制約された国庫、新型ウイルスの蔓延、食糧危機、アメリカとの貿易戦争など。

今中国が最優先で行うことは、将来起こりうる災害について真剣に取り組むことだと思います。

今すぐに取り組まないと気候変動が洪水の深刻さを日増しに加速させています。三峡ダムが、決壊しないことを心から祈ります。

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