中国【重要プロジェクト】半導体メーカーHSMC倒産?

半導体メーカーHSMC

半導体製造メーカーの詳細

半導体メーカーHSMC

中国は、【中国2025】という目標を掲げていて2025年までに国内の製造を70%まで引き上げようとしていたこともあって、多彩な補助金を準備していました。

現在、アメリカのファーウェイへの制裁があり国内での高性能の半導体製造メーカーが必要ですが、なんと倒産した可能性があります。

9月2日、中国の経済メディア第一財経は中国武漢にある国家産業基地の半導体ファウンドリー(受託生産)メーカー武漢弘芯半導体製造(HSMC)工場の建設現場では、行きかう車もないと報道した。

報道によると、サッカー場59個(42万4000平方メートル)サイズの敷地には、骨格だけわずかに建てられた建物3棟だけだった。

この日、現場にいた建設会社の従業員は、第一財経とのインタビューに対して、「作業員たちの給与が8ヶ月分支払わていない」と述べた。

最近、中国の半導体業界「スーパールーキー」として言われていたHSMCが資金不足で工場建設プロジェクトを中止したというニュースに中国国内で大騒ぎになった。

HSMC2017年11月に設立当時1280億元(約2兆2600億円)規模の投資を確保し、中国で最初に7ナノメートルプロセスの量産を成功させた噂が広まったメーカーです。

このためHSMCは最近まで膨大な給与と条件を提示し、グローバル半導体メーカーの技術者を引き抜いていた。

政府の補助金を狙った詐欺か?

半導体メーカーHSMC

このような企業が突然資金難になったため中国現地では「政府の半導体補助金を狙った詐欺である可能性が高い」という話も出ています。

中国の現地メディアは「HSMCは最初から実現不可能な目標を掲げていたが、半導体産業の盲目的な投資の熱気がHSMCの抜け穴」となったと分析しています。

HSMCは、設立当初から14ナノメートル級量産技術を備えていると主張していた。

グローバルファウンドリー1位、台湾のTSMC COD(最高執行責任者)出身の蒋尚義氏をCEO(最高経営責任者)に迎え入れ、市場の信頼を得た。

また2018年、2019年の2年続続で湖南省の重大な投資プロジェクトに名前を上げて2019年末までに、中国政府などからの投資資金153億元(約2341億円)を受けたことが分かった。

HSMCは「武漢産業団地に14ナノと7ナノ生産ラインを構築し、ウェハ基準年間6万枚を生産する」と明らかにした。

現在世界の半導体メーカーのうち7ナノ量産が可能なのは、サムスン電子とTSMCしかないが、中国の新興企業が、このような技術格差を飛越えるという主張でした。

HSMCの問題は、1月の工場の建設代金を支払うことができず、訴訟に巻き込まれてから少しずつ見え始めた。

7月には、武漢市政府は「資金不足でHSMC半導体プロジェクト座礁の危機」という内容の報告書を出してHSMCの没落が決定された。

報告書では、「事業計画、環境評価などの必須資料が準備されていないため追加の資金支援が不可能な状況だ」と明らかにされた。

蒋尚義氏はCEOという立場であったが、「会社の財務状況は、私も初めて知った事実が多い」とした。
現地では、蒋CEOも詐欺にあっていて、席を置いているだけだった」という話が出てきている。

2017年に半導体業界のスーパールーキーと言われ、台湾TSMCの最高執行責任者をCEOに迎えた中国のHSMCは、当初から14ナノメートル級技術と、当時世界最高の技術だった7ナノメートルの製造プロセス技術を持っていたとされて、中国政府を含めて2500億円という巨額の資金投資を受けましたが、どうも半導体補助金を狙った詐欺の可能性も有るということです。

HSMCを設立した創業者のリ・スェイェンとその他会社設立に関与した関係者の行方は分からないそうです。

さらに中国紙によると、「HSMCの持ち株比率90%をもつ、北京グランツーテクノロジーという会社の設立年度はHSMCと同じ2017年11月ですが、事実上両社ともペーパーカンパニーである可能性が高い」と分析されていました。

しかも最初に集めたとされる投資資金1280億元はなかったとみられ、HSMCは設立して3年間に技術特許が一つも出ていない」とも報道されています。

そのうえ他の中国経済紙によると「HSMCが中国メーカーの中で唯一保有していると自慢していた7ナノプロセスの最先端機器につおて銀行が差し押さえに入って見ると、古くなった鉄の製造機だけだった」そうです。

事実について考えてみますと、中国政府、銀行、CEO、従業員も完全に騙されていたということになります。

中国政府が半導体製造に力を入れていることは知っていましたが、中国政府の補助金を狙うとは恐れ入りました。

他にも半導体関係の詐欺事件

中国の補助金を狙った犯罪はこの件だけではないらしいのです。

中国のネットメディア「ワンタイトドットコム」によると「今年1月~7月の中国の半導体メーカーの投資額は600億元で、昨年の投資額の2倍に上っています」と報道される一方で「資格がない業者が投資額だけ受けて廃業するケースが増えている」と報道しています。

一番大きな件はHSMCで、3月には湖南省長沙市にある長沙長芯、続いて4月に陝西省産視線端、7月に南京の徳科碼南京半導体科技が相次いで破産したそうです。

半導体業界関係者によると「アメリカの制裁レベルが高くなったこともあり、「半導体自給」が切実な状況で、政府支援金と投資が殺到したため、HSMCのような不合理な詐欺が行われるものと見られる」と述べています。

中国では、新たに半導体事業で技術を持っている会社には10年間法人税免除などの方針を打ち出しています。

最後に

これが詐欺事件だったとは、さすが中国ですね。

アメリカの制裁が、徐々に効いてきているようです。

優遇措置を増やすと、中国のことですから同じような事件が増えるでしょう。

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